「すれ違いの明後日」





あくる日の朝、公園のベンチで目を覚ますと、
僕の目の中に今までで見たことの無いくらいにかわいらしい女の子の顔が映しだされた。

「あ、起きたー?」

「……どわぁ!!!」

気がついてみれば僕は、女の子に膝枕をされていて
嬉しさの反面それ以上の驚きに慌てて飛び起きる。

「だ、誰だ君は!!!」

落ち着かない言動で女の子に震える手で指差している僕。
傍から見れば、挙動不審ですごくかっこ悪いことこの上なかっただろう。

「だ、誰だ君は!!!……それが命の恩人に対する態度な訳?」

「……命の恩人…って僕は君に救われた記憶なんて無いぞ!!」

「……うっ!!」

僕がそう告げると、女の子は突然両手で顔を覆い泣き出してしまう。

「ちょ…なんで泣くのさ!!」

「私にあんなことしていて何も覚えてないのね!!!」

「あんなこと……ってまさか!?」

「そうよ!!私を傷物にしておきながら酷すぎる!!」

更に大声で泣き喚く女の子。
なんだかよくわからなかったけど、僕はとにかく必死で女の子をなだめた。

「うむむむ……ごめん!とにかくごめん!!
 僕何も覚えてないんだ!!この通り!!」

地面に頭をこすりつけながら土下座をする僕。
大体うちの家では女の子を泣かす男は最低だとの教えが在り、
その教えが僕をここまでさせてしまったのであろう。

「……ぷっ!あっはははは!!」

だが、僕がこんなにも必死なのにも関わらず、女の子は腹を抱えて大笑い。

「何で笑うんだよ!!」

「バカだねー。君は。嘘に決まってるじゃん」

「………殴るぞ!?」

「殴ったら婦女暴行罪で警察に行くからね」

「…本当に女の子を殴るわけ無いだろ!!」

「口にしただけでも脅迫罪になるんだよ?知らないの?」

「かわいくない奴だな……」

「よく言われる」

女の子はそういうとすっとベンチから立ち上がり、
くるっと回ってこちらに振り返ってくる。
僕もそれに合わせるようにしても立ち上がり彼女のほうを見やる。

「さってと、それじゃそろそろ行くね」

「…どこに?」

「さぁ?どこに行くんだろう?君はこれからどうするの?」

「は?僕は……そりゃ、自分の家に帰るよ」

「そっかー、そうだよね。それが普通なんだよね」

「君も帰れば良いじゃないか」

「……それが出来ないから困ってるんだよ」

「何?迷子?」

それが出来ない…至極当たり前のことだが、
出来ないとは一体どう言う事なんだろうか?
そう思った僕の口からは考えるより先に言葉が発されていた。

「違うよ…。何かよくわかんないんだけど、僕、記憶喪失みたいなんだ」

「…また騙す気?」

「別に信じてくれなくても良いけどね。
 そしたらきっと私、このままふらふらと歩いてて、
 悪いおじさんに声かけられてそっちの世界に入っちゃうんだ、きっと」

「何だか引っかかる言い方だなぁ」

「君が信じてくれないからだよ」

「うーん…でもそんな初対面の人にいきなりそんな事言われてもさぁ…」

「僕は初対面で全く見ず知らずで今まですれ違った事も無い君をわざわざ!
 ゴミ捨て場から拾ってここまで連れてきてあげたんだよ!?」

「…ゴミ捨て場?」

そう言われ、ついつい自分の身体のにおいをかぐ僕。

「……確かに生ゴミくさい…」

「大変だったんだからね、ここまで運んでくるの」

「でも、何でまたそんなことを?
 放っておいても朝には誰かに起こされただろうに」

「…うーん、なんとなくかな?ほら、僕、記憶喪失だから!」

「関連性が見つからないんだけど」

「鈍いなぁ、おかしな事をしても仕方が無いって事だよ!」

「うーん……」

いまいち納得がいかずうなり声を上げる僕。
しかし、次の瞬間、緊張感の無いおなかの音が、
ありえないくらいにはっきりと間抜けな声を上げてくれた。

「あー……何だか段々昨日の事も思い出してきたなぁ」

「お腹がすいたら記憶が戻るんだ。うらやましいな」

「いや、昨日の夜はサークルの仲間との打ち上げで相当飲んでてね。
 お腹の音で昨日食べたものをなんとなく思い出したんだよ」

「なるほど、確かに関連してるね」

「……君は朝ごはん食べたの?」

「食べてるわけ無いよ。ずっと君の看病してたんだからね」

「それはどうもご苦労様です」

「だからさ、朝ごはんくらいおごってね♪」

「………はぁ」

「嫌ならいいんだ。私このまま路頭をさまよってのたれじぬんだから!」

「変な言い方しないでくれよ」

「じゃあ、ご飯ご馳走して♪」

「へいへい」

「やったー!!じゃあじゃあ!僕おいしいラーメンがいいな!!」
「ラーメンか、それならこの先の所が凄く評判が良いよ。
 顔なじみだからこの時間でもお願いすれば食べさせてくれると思うし」

「へぇー、じゃあ早速行こうよ!!」

「ん……その前に1つ気になるんだけど」

「何?」

「君さ、さっきから僕と私とごっちゃだよね。…何で?」

「え?そうかな?全然気がつかなかったよ」

「…まぁ、大した事じゃないけど、何だか気になって」

「…うーん……きっと記憶喪失だからだね!」

「なんでもそれで解決しない方がいいと思うんだけどなぁ」

「まぁまぁ、大した事じゃないって自分でも言ってるじゃん!
 だからさ、早く行こうよ!僕お腹すいちゃった!」

「あ…あぁ、わかった」






ガラガラガラとドアを開けると、
落ち着いた古風な雰囲気の店内、そして、定番の朝のテレビ番組が流れている。

「らっしゃーい!!」

「ども、親父さん」

「おう!おめぇか!!また朝早ぇな!」

「うん、まぁ、ちょっと事情があってね」

「事情?なんでぇまたそれは」

親父さんに言われて後ろにいる女の子の方にチラッと視線をやる僕。
百聞は一見にしかずという奴で、語るより感じてくれと言う訳だ。

「ども!親父さん!!」

その視線に気がついた女の子は僕の真似をした言い方で元気良く親父さんに挨拶をする。

「…へぇー!こりゃ驚いたな…お前が女の子を連れて来るだなんて…」

「うーん、とりあえずそれは置いといて…僕達お腹すいてるんだ」

「おう!ちょっと店を開くには早いが、
 おめーが女の子を連れてきてめでたいから、
 今日は俺がご馳走してやる!好きなものを選びな!!」

「いや……それは……」

流石に申し訳ない…と口にしようとしたのだが、
女の子が僕の言葉をさえぎるように高らかと喚起の声をあげた。

「やったー!!!さんきゅー!!親父さん!!」

「ははは、遠慮なく食いな!!!」

「おう!遠慮なく食うぜ!!」

「………良いのかなぁ」






女の子はその見た目とは裏腹に豪快にラーメンをすする。
すでに食べ終えていた僕は何をすることもなく彼女をボーっと見つめていた。

「なに?」

「いや、よく食うなと思って」

「…そうかな?」

「もう7杯目だよ。いくらおごりったって少しは遠慮しろよ」

「お腹減ってるんだもん」

「…そうですか」

別に自分が支払うわけでもないし、どうでも良いかなと思った僕は、
背後から聞こえてきたテレビにふと視線を移した。

「ニュースをお伝えします。
 昨夜未明、駅前の交差点で、頭から血を流し死んでいる男性の遺体が見つかりました。
 警察の調べによりますと、後ろから何か鉄パイプのようなもので数回にわたって殴りつけられていたとのことで、
 死亡推定時刻からまだ犯人はこの辺りをうろついている可能性があると、
 周辺の住民やタクシードライバー等を中心に聞き込み捜査を続けているとのことです」

「……このすぐ近くだな」

物騒な世の中になったもんだなーと思いつつ、
視線を元に戻すと、女の子は何だか青ざめた表情でテレビを見たまま固まっていた。

「どうしたんだ?」

「…私、あの男の人見た事ある気がする」

「……え?」

「私が殺したんじゃないよね!!違うよね!!!」

「ちょ…待てよ!!口の中を空っぽにしてから喋れよ!!」

彼女の口から飛び出した食べかすで顔中ラーメンまみれになる僕。
……いくらかわいい子だからってこう言うシチュエーションは勘弁してほしいものだ。

「……っとにもう」

「ごめんなさい…」

「僕は、あの殺された男と君がどんな関係かは知らない。
 でも、今まで話してた感じじゃ、君は決して人を殺せるような奴じゃない。
 それだけはわかる。だから君が殺したんじゃないよ。間違いなく」

「……ありがとう」

「まぁ、記憶喪失で色々と混乱して不安になってるんだろうと思うし、
 満足いくまで食べたら一緒に病院に行って見てもらおうよ」

「嫌よ!!」

「な…そんな怒鳴る事無いだろ!!」

「ごめん…なさい…。でも病院には行きたくないの。
 何だかどこか施設とかに連れてかれそうで…嫌なの」

「…うーん」

この後しばしの沈黙がおきる。
まぁ、確かに普通に考えてみれば悪い事をしてなくても行きたくない場所だし、
行こうと言われてすんなり「はい行きます!」とはならないだろう。

女の子は何だか物悲しげな表情でのびきった8杯目のラーメンをすすっていた。

「とりあえず、僕はこの後家に帰って寝ようと思うんだけど、君はどうする?」

「出来れば…で良いんだけど。貴方が嫌じゃないなら一緒に連れて行って欲しい」

「先に言っておくけど、僕は男で君は女だ。
 その上、僕は一人暮らしで1Kの狭くてぼろいアパートに住んでる。
 いつ欲情して君を襲うかわからない上に、寝るとしても布団は1つしかない。
 そんな状態でも良いのか?」

「…今は貴方しか信じられる人が居ないから…」

「……はぁ、わかったよ」

「ごめんなさい」

「そう言えば、君、自分の名前はわかる?」

「…多分だけど、美咲(みさき)だと思う」

「…そっか、美咲か…。よろしくな」

「うん」

親父さんに一言告げると、僕達はお店を後にした。




気持ちよさそうに僕の布団で眠る美咲。
完全に寝ていることを確認した僕は、彼女を起こさないように携帯を持って家の外へと出た。

「もしもし」

「あ、先輩、僕ですけど。今平気ですか?」

「おー、お前か。どうした?興奮して寝付けなかったか?」

「いや、そう言う訳じゃないんですけど、実は相談したい事があって」

「…なんだ?改まって」

「先輩の家って確か探偵家業やってましたよね」

「あぁ、やってるやってる。名探偵って言う保障は出来ないけどな」

「…実は調べて欲しい事があるんですけど良いですか?」

「なんだ?言ってみろ」

「どこかこの辺りで家出をした16〜8歳くらいの女の子で、
 美咲って子の居る家を探して欲しいんです」

「お前の初恋の子とかそう言うんじゃないだろうな?」

「家出したって言ってるじゃないですか」

「もう少し詳しく話せないか?」

「はぁ…、実はかくかくしかじかで」

「ふむ…なるほど。わかった、調べてみるよ。何かわかったら連絡する」

「ありがとうございます」

「あぁ、お前、冬休みだからってダラダラ過ごすなよ」

「精進します」

「それじゃあな」

「はい、また」

電話を切ってポケットにしまうと、
無意識だったが僕の口からは大きなため息がこぼれ出ていた。

「…ねぇ、私、やっぱり邪魔だった?」

声に慌てて振り返ると美咲が悲しそうな表情で立ち尽くしている。

「え、いや、そんなんじゃなくて…」

「…邪魔なら邪魔って言ってくれれば良かったのに…」

「違うよ。美咲の記憶を探る手がかりになれば良いなと思って僕は…」

「だったら何で私に黙ってこそこそしてたのよ!!!」

「……ごめん」

美咲は両手で顔を覆うと、声を上げて泣き出してしまった。

「とにかく寒いから部屋に入ってて。僕はお昼買ってくるから」

美咲の肩を抱き、アパートの中へと誘導すると、
部屋の中から財布だけを拾い上げ僕は早足で近くの弁当屋へと向かった。




「な……これは……部屋がめちゃめちゃじゃないか…」

僕がお昼を買って帰ってくると、
部屋の中はめちゃめちゃに荒らされていた。

…美咲の奴が不機嫌のあまりにやらかしたんだろうか?

だが、美咲の姿は見当たらない。

「美咲?まだ怒ってるのか?」

「なぁ、奮発して高い弁当買ってきたんだから機嫌直してくれよ」

盛り上がった布団をめくってみてもそこに美咲の姿は無い。

「美咲?」

と、そんな時、僕は今朝のニュースのことを思い出す。

「……まさか今朝の犯人が美咲を!?」

買ってきたばかりの弁当を投げ捨て、僕は急いで部屋を飛び出した。

「美咲ーーー!!!!!」

まだ肌寒いこの季節、多少の雪が残る中、僕は全速力で美咲の名を呼びながら辺りを走り回った。

「美咲!!」

決して当てがあるわけではないが、とにかく居ても立っても居られなかったから。

「美咲ーーー!!」

「……あれ、ここは…」

そんな時、偶然にもたどり着いた先は美咲と出会った公園だった。

「美咲と会った公園か…」

疲れ果てた僕はぐったりとベンチに座り込む。

「どこいったんだよ…美咲の奴は…」

と、そんな矢先、僕の視界が何者かによって突然にさえぎられてしまう。

「なんだぁ!?いきなり目の前が真っ暗に…!?」

「だーれだ?」

「誰か」

「真面目に答えてよね!!」

「……なんでこんな所に居るんだよ」

無意識のうちに怒りのこもった口調で告げる僕。
だが、そんな事は気にする様子も無く、美咲は満面の笑みで僕の隣に座る。

「それがわかんないんだよね。
 気がついたら表を歩いてて、
 その時に、君の姿が見えたから追いかけてきただけだしね」

「…部屋の中はめちゃめちゃに荒らされてるし、
 美咲は居ない。てっきり今朝のニュースの殺人犯に襲われたのかと思ったんだよ」

「あは、心配してくれたの?」

「そりゃするよ」

「…ありがとう」

「あ、赤くなった」

「うるさいなぁ!」

「あはっ」

にこっと微笑むと、突然に僕の肩にそっと寄り添ってくる美咲。
女の子に対して免疫が無いわけでもないけど、
突然にこんな事をされて、僕の頭の中は真っ白になっていた。

「ななな!!」

「私の事好き?」

「そんな今朝会ったばかりの子を好きかなんてわからない」

「私は君の事好きだよ。でも一目惚れじゃない。ずっと前に本当は会ってるのから」

「…記憶喪失じゃなかったっけ?」

「そう言う設定の方が面白いかなって思って」

「……なんだよそれ」

「それで、どこで会ったんだ?」

「この公園だよ」

「…いくら僕がバカでも、君みたいな可愛い女の子に会ったら忘れてる訳無いよ」

「うーん、でも多分君は覚えててもわからいと思うな」

「どういうこと?」

「君は今何歳?」

「へ?僕は…26だよ」

「うん、僕、今16歳なんだ。それで、君と出会ったのは10年前」

「はぁ?」

「僕ね、お父さんとお母さんが死んじゃったんだ、6歳の時に。
 それで寂しくてこの公園で泣いてた時に、君が声をかけてくれたんだよ。覚えてない?」

「微妙」

「僕は今でもはっきり覚えてるよ。君が言ってたことも」

「何て?言ったんだっけ?」

「泣くのも良いけど、君は絶対笑ってる方が可愛いよって」

「………僕は完全に変体ロリコン男だ…」

「そだね」

「それでね、その時も君、ラーメンご馳走してくれてたんだよ?」

「そーだっけ」

「うん、あそこの親父さんのラーメンだよ」

「そうか、もうそんなに通ってたか」

「その後僕は、親戚のおじさん達が迎えに来て連れてかれて、
 ずっと離れ離れだったんだけど、昨日ゴミ捨て場で倒れてる君を見てピンッと着たんだよ」

「そんなもんかねぇ」

「そんなもんだよ」

クスクスっと笑う美咲。
そんな彼女を見ていると、
とても少女だった頃の幼い姿が想像できない程に、
彼女は大人っぽく魅力的な女性に見えた。

「それでね、ちょっとドラマチックにやってみたいなって思って。
 僕女優目指してるから演技力を試す実験も兼ねてね?」

「……なんだよそれ」

「ちなみに、ラーメン屋の親父さんも、今朝流れたビデオも、君が寝てる間に全部僕が仕込んだんだよ」

「………何て手の早い奴だ」

「皆快く協力してくれたからすぐに作成出来たしね」

「よく僕が起きるまでに作れたなぁ」

「君、三日くらい寝てたから」

「んなバカな!!」

「ううん、睡眠薬を寝てる間にちょっとずつね。起きないように飲ませてたから」

「……お前鬼だな」

「でもすっかり騙されたよね?」

「全くだよ」

「それにしても演じてる時とニュートラルの違いを分けるのが難しかったなー。
 普段は僕って言ってるのに演じるとつい私って言っちゃうから最初君につっこまれた時は凄く焦ったよー」

「……そう言う事だったのか」

「うん、僕って言ってる時は僕の中のギアはニュートラル、イコール、素の状態ってことだよ」

「……本当にもう」

全く何を考えてそう言う風に彼女を駆り立てたのかわからないけど、
その行動力と発想に脱帽…と言うよりはそれを通り過ぎて呆れさせられる。

「お前、帰ったら部屋片付けておけよ」

「へ?何で僕が片付けないとならないの?」

「お前が汚したんだろうが」

「え?知らないよ?」

「………マジで?」

「うん、だって、僕君がお昼買いに出た時こっそり着いて行ってたし」

「………じゃあいったい誰が…」

と、そんな時、僕等の元にラーメン屋の親父さんが慌てた様子でかけてくた。

「おーい!!!二人とも!!!ここにいたかー!!!」

「あれ?親父さん、どうしたの?」

「実は、今日のお昼頃、お前のうちの辺りで強盗殺人事件が起きて、
 その犯人がついさっき逮捕されたんだよ!!」

「へぇ?」

「いやぁ、その中にお前の荷物があって、
 警察からうちに電話がかかってきてなぁ」

「…流石田舎のネットワークは狭いな」

「とにかく二人とも無事で良かった良かった」

そう言い残すと、親父さんは満面の笑みでお店へと戻っていった。

「なぁ、美咲」

「何?」

「一歩間違えればさ」

「間違いなく僕達二人、明日の新聞のトップに飾られてたかもしれないね」

「……美咲、お前は本当に大女優だよ」

「………ありがとう」

乾いた笑いを浮かべながら、
僕達は全速力で家へと向かって走り出していた。